2014年12月11日木曜日

ずっと口に出せなかった一言を言葉にして、自分を責めることから解放され、新たに一歩進めた気がしています(産後ケアバトン制度利用者の声)

電車に乗っていたら、11月コースにマドレ基金の産後ケアバトン枠で参加してくれたTちゃんからのメッセージが届いた。すぐに開いて読み始めたんだけど、途中まで読んでたら電車のなかで号泣しそうだったので、いっかい閉じた。

で、家に帰ってあらためて読みました。やっぱり号泣(TдT)
Tちゃんの思い、一文字一文字かみしめました。

Tちゃんの赤ちゃんは多趾症で生まれてきた。足の指が6本ある。本人の葛藤は、当事者である本人にしかわからないものだけど、こうして言葉にして、思いを分かち合ってくれた。言葉にして、表現するってするって、素晴らしい。なんともいえない複雑な思いを言語化できずに悶々としている人はいっぱいいるはずのなか、こうしてTちゃんが言葉をつづってくれたこと、そしてその内容に触れて、本当にむねがいっぱいになった。

すぐにTちゃんに連絡して、ここに綴ってくれたこと、匿名でもイニシャルでもいいので、ブログやマンスリーサポーターニュースや西友さんへの報告書などでご紹介させていただいてもいいでしょうか?もし、いますぐは抵抗あるということでしたら、数ヶ月後にとかでも結構です、とお願いしてみた。

Tちゃんからお返事いただき、この制度で受講できたのも今までの寄付者のみなさんや、企業さんの力あってのこと、是非感謝とともにお伝え頂きたいと快諾いただいた。多趾症のことは手術が済むまでは公表しない予定なので匿名かイニシャルでということで。

そんなわけで、以下、Tちゃんからのメッセージをご紹介します。

マコ先生
遅くなりましたが、、、1ヶ月間、ありがとうございました。産後ケアバトン制度で参加させてもらっているのだから、、といつも以上に自分や家族の体調管理に気を配り、まずは4回通して参加できたことにほっとしています。 
多趾症で生まれてきた我が子、ずっと口に出せなかった「ちゃんと生んであげられなかった」という一言、本当の意味で我が子や自分の想いに向き合うことが出来たからこそ、初めて言葉にすることが出来、自分を責めることから解放され、新たに一歩進めた気がしています。 
その言葉を口にするのはこの一度きり。もう二度と口にしない、前を向いて歩いていこうと、本来の自分を取り戻せたようにも思います。 
夫にも、家族にも言えなかった。生まれてきた我が子を否定してしまうようで、言っちゃいけないような気がして胸に秘めていたこと。マドレで一緒に汗を流し、言葉を紡いできた仲間だったから、ふと言葉に出来たのだと思います。 
まだこれから手術など不安なこともありますが、それも含めて我が子が与えてくれた尊い宝物と受け止めて歩んで行こうと思います。今回この機会を与えて下さった皆様に心より感謝申し上げます。いつか必ず恩返ししたいです。 

言葉にすることで解放される、そんな体験を、マドレボニータの産後クラスでしてもらえたこと、本当に光栄に思います。「ちゃんと生んであげられなかった」という言葉を震える声で発するTちゃんを、みんなで静かに、そして暖かく、見守ったこと、鮮明に覚えています。その体験が、「その言葉を口にするのはこの一度きり。もう二度と口にしない、前を向いて歩いていこう」というTちゃんの決心につながったこと、胸が熱くなる。似た境遇の人にとっても、このTちゃんの経験は力を与えてくれると思う。

そして、今回、マドレ基金産後ケアバトン制度で参加してくれたTちゃんは、寄付者のかたへの感謝の気持ちを何度も伝えてくれた。ぜひ、マドレ基金へ寄付してくださったかたに、このTちゃんの体験、思いを伝えたいとおもいます。








2014年11月29日土曜日

関西のオトンは明るくて熱い!(ファザーリング・ジャパン関西の公開型勉強会)

ファザーリング・ジャパン関西の公開型勉強会に呼んでいただきました。

















あまり知られていない産後の心と体の実態や、産後ケアには2つのステージがあって、産褥期の受けるケアと、リハビリ期の取り組むケアが必要であるということ、そして、今後の夫婦関係の明暗を分ける産後のパートナーシップについての話とともに、マドレボニータのプログラムの一部でコミュニケーションのワークであるシェアリングも体験していただきました。

夫婦にコミュニケーションが大事なことは言われなくてもわかってる。なのになぜ、気持ちがすれ違ってしまうのか、そしてどうすればそれが解決するのか、そのカラクリが、このワークを通して見えてくるから。

このワークで扱う、人生、仕事、パートナーシップといった重要なテーマについて、本当は夫婦でコミュニケーションをとりたい、けれど、赤ちゃんと二人きりの生活では、こうしたテーマについて語る機会もなく、ましてや、大人と話す機会もなくなりどんどん言葉を失っていってしまうのだ、という産後の現実を知って「確かに、本当にそうですね」と。産後じゃない自分だって、いま問われて言葉がでてこなかった。「うちは喧嘩しない」とか表面的なことではなく、こういうことを夫婦で真摯に語れる関係性こそがパートナーシップなのだという話に。

父親向け産後ケア検定についてもご紹介したところ、父親もこういうこと学びたい!検定は見せ方次第でもっとたくさんの層をまきこめるはず!と産後ケア検定の可能性にワクワクしながら、たくさんのアイデアをいただきました。これも、少しずつ形にしていきたいですね。

2014年11月28日金曜日

第七期マドレボニータ監査がおわりました


年に一度の監査でした。理事の葉子さんと一緒に、行ってきました。

監事は法人化する前からマドレを知る、SVPのマドレチームの責任者(LP)を務めた広瀬さん。新たな組織編成をみて「事業部長だってー!」といちいち感動してくれる。組織図もなかった頃を知っているから。いまの形は最初からあったわけじゃないこと思い出させてくれた。



組織図も運営体制も、何もないところからひとつひとつ積み上げてきたということは、積み上げてきた自分たちでも忘れがちだ。目の前の問題や危機に意識を奪われ、自らを肯定する気持ちも失いやすい。だから初期から伴走してきてくれた人が振り返って成長を喜んでくれることは、大きな励ましになる。

「not enoughではなくgood enoughを自分でまずはみとめることが大事」というのは、日経ソーシャルイニシアチブ大賞の受賞式のサプライズで登壇した井上英之さんがしてくれた話。周りはいろんな要求や期待を投げてくるし(かわりにやってくれることはない)、褒めてくれることもあれば、失望されることもある。

そんな環境のなかで、私たちは反射的に、まだまだと思いこみ、もっともっとを追求しがちだけど、まずは今を肯定したうえで、進む道を見据えていくことが大事だと改めて思った。


先日、第二子を出産したばかりの広瀬さん。
産後の大変なときにゴメンナサイ!といいながら、お願いしちゃいました。

最後に、
監査報告書とともに記念写真(^○^)

8期目も、もう始まっています。マドレらしさを失わずに、成長していきたいです。

2014年11月27日木曜日

夫とのコミュニケーションが変わってきた(11月コースご参加者の声)


吉祥寺11月の産後のボディケア&フィットネス教室がおわりました。
レッスンがおわって4時間後に、ご参加者のゆかさんから、さっそく熱いメールが。
このあふれる思いに触れることができて、インストラクター冥利につきます。
ゆかさんにご許可いただき、ゆかさんのご感想をご紹介させていただきます。

先ほどは11月(木)コース、大変お疲れさまでした。
先ほど自宅に戻りましたら、洗濯物が畳まれており、シンクもお皿が洗ってありました。昨日、ちょっとだけ勇気を出して夫にお願いをしてみたのです。^^
 
ここ数週間、夫は、昼出勤で夜0時近くに帰宅 というシフト。なので、
「出かける前の時間に、できれば家事か子守りか手伝ってくれないか」
と昨晩寝る前にラインで送っておいたんですね。
 
そんなふうに、マドレに参加して、
少しずつ私も夫とのコミュニケーションが変わってきたと思います。
 
どこか、夫に遠慮したり、男尊女卑というか、対等じゃなかったな、と気づけたし、逆に、甘えていた自分にも気づきました。 
本当に、感謝しています。ありがとうございます。 マドレは、人づてで「産後にいいらしい」という超〜ザックリした情報を小耳に挟み、サイトを見て、おそらく数秒で受講を決めました。エクササイズももちろんですし、特に、シェアリングなどの時間が、今の自分に必要だ、と感じて。
私はずーっと母乳に悩み、産後3カ月まで泣き暮らし、ほぼ外に出ませんでした。外に出ると、さらっと母乳をあげてるお母さんを見ちゃって辛くなる、
というのが理由でした。
 
でも、思い切ってマドレに来て本当によかったです。それぞれ皆さんが色んな思いを抱えて、でも笑顔でいる。そんな姿に元気をもらえました。まずは1カ月ありがとうございます。そして、4回通えた自分も褒めたいと思います^^
ではでは、マコさん、また会える日を〜お仕事などでも絡めたらいいですね♪

ゆかさん、ありがとう。
やはり、この産後の時期にあきらめないということ、とってもだいじ。
でもひとりぼっちで乗り越えるのはきついから、こうして、
マドレみたいな場所を活用してもらいたい、とせつにおもいます。

2014年11月14日金曜日

予想外の早産を経て〜マドレ基金の産後ケアバトン制度ご利用者の声〜

【マドレ基金の産後ケアバトン制度ご利用者の声】
木曜日の吉祥寺マドレ産後クラス10月コースを卒業したばかりのRちゃんからご感想のメールをいただきました。Rちゃんはおもいがけず早産で小さく生まれた赤ちゃんを必死に育てているときにマドレ基金のことを知り、参加してくれました。


赤ちゃんは可愛いけれど、赤ちゃんをお世話する生活は想像以上に孤独です。こうした孤独から解放され、こうやって人と関わり、からだを動かし、言葉を紡ぐという、人としてあたりまえの権利を享受することが現代社会ではいかに難しいか。マドレボニータは、このように、社会的に孤立しやすいが故に、あまり気づかれることのない存在の母子に手を差し伸べる仕組みを整えることにもチャレンジしています→産後ケアバトン制度
こうして実際に参加してくれた人の声が、私たちの大きな原動力になっています。

はじめての高齢出産で予期せず早産となり、感情がジェットコースターのように揺れ動く中で、これまで毎日の子供のお世話だけで必死でした。 
今回産後クラスに参加させて頂けたことで、母としてこれからの人生をどう過ごしていくのか、クラスの皆さんと共に立ち止まって考え、自分の本当の心の声に耳を傾けることが出来、また様々な方の考えを聴くことで、自分の考えも広がり、社会と繋がることや、よりよい環境を自分にも子供にも選択していくことの必要性を痛感しました。 
何より産後クラスは本当に楽しくて、レッスンの間中ずっと笑いっぱなしでした。子供もとても楽しそうにしていて、そんな子供を見ることが出来たのも嬉しかったです。 
産後ケアバトン制度は、肉体的にも精神的にも社会に出て行きずらい人たちへ、社会に出るチャンスを与えて頂ける素晴らしい制度だと思います。私は幸運にもこの制度を利用させて頂き、産後クラスに参加することが出来て、大変感謝しております。一人でも多くの方にこの制度を知ってもらい、同じような体験をして頂きたいと心から思います。 
吉祥寺10月コース Rさんのご感想 

2014年11月13日木曜日

バトンがつながっていく〜5か月の双子母と3歳の双子の母〜

11月の吉祥寺木曜日のマドレ産後クラスは、マドレ基金の産後ケアバトン制度をつかって障がいをもつ子の母、双子の母が参加してくれています。

本当に本当に感動してしまったのは、今月の双子介助ボランティアにはいってくれているあっこちゃん(写真左)は、なんと3年前!に、やはりマドレ基金のこの制度を利用して田無クラスを受講してくれた双子の母なのです。そのときの双子ちゃんは3歳に。
















※双子を連れて外出はおろか、こういった教室に参加するのはほんとにタイヘンなこと。それをサポートするために、毎回「介助ボランティア」を募集して、お手伝いに入っていただいています。3年前に参加してくれたあっこちゃんも、このお手伝いに本当に助けられたから、今度は私が…と手をあげてくれました。

この制度が「産後ケアバトン制度」と名付けられているのも、こうしてバトンがつながって、エネルギーが循環していってほしいという願いから。





















そして、今回5カ月の双子ちゃんをつれて参加してくれているゆっこちゃんの表情が、
1週目から2週目(写真2枚目)にかけてキリっと明るくなってるのが写真でみてもよくわかるのも嬉しい。

2014年6月16日月曜日

「体力」と一緒に「本当の前向きさ」を獲得する


今週の産後クラスは、2カ月ぶりに双子の母あゆちゃんが参加してくれた。介助ボランティアのなっちゃん 水谷奈津美 ありがとう。
  


あゆちゃんは、この数ヶ月を振り返って、こんなふうに語ってくれた。
「初めてマドレに参加した頃は、仕事復帰について消極的で、子どもが可愛いから仕事はセーブして、なんて言っていたけど、ほんの数ヶ月で考えや行動が全く変わった。マドレに通って体力がついて、いろんな人と交流する機会を得て、子どもと家にこもっていた生活が一変してから、自分の仕事への意欲や家族への考え方や行動がより前向きになった」



新生児のいる生活は本当に大変。出産のダメージからまだ体は回復してないし、
自分の意思とは関係なく赤ちゃんの欲求に応えていたらあっというまに一日が終わる。

万全でない体調でそれをやるのだから本当に負担は大きい…

それで新生児が2人!と想像しただけで、その大変さはもう、想像を超えている。

それでも、そんな大変な境遇にあっても、私たちは、なんでも、
前向きに考えたいものだし、何でも前向きに語りたいもので…

仕事への意欲が減退してることについても
「子どもが可愛いから」という「前向きな」理由をつけて、
なんとか自分を納得させてるんだ。

「子どもがかわいいし」という理由に対して、
異議を唱える人はまずいないだろう。

「本当にそうなの?」と問うてくれる人はなかなかいないだろう。

でも、仕事への意欲が減っているのは、
本当は「体力が低下しているから」っていうのと、
「子育てにどっぷりの生活からシャバの世界に戻るのがちょっとこわくなってるから」
っていう…これは、本人も気づいてないことが多い。



私は15年間、産後女性に接してきて、
もうこのカラクリを何百件というケースから知っているので、
「子どもが可愛いので、仕事は…」
と言い出した人のその後をいつも暖かく見守っている。

3月コースでは高校のジャージみたいな格好で(笑)来てたあゆちゃんが、
今回はすっごいおシャレなウェアで来ていて(そうそうもともとすごいオシャレな人だったんだ)
マドレでたくさん友達ができて、仕事復帰への夢を語ってくれたのを、
今回も、すごく胸をあつくして、見て(きいて)た。

双子だから…とあきらめずに、参加してくれて、ほんとに嬉しい。

そして、いろんな人が手を差しのべて、助け合ってる姿を見るのもとても嬉しい。

双子の介助ボランティアにはいってくれたなっちゃんが哺乳瓶でミルクを授乳
そういう場が実現する「産後ケアバトン制度」これからもより充実させていきたい。
(2011年3月より、受講実績200組を超えました)
http://www.madrebonita.com/wordpress/?page_id=5980