2012年7月11日水曜日

『サニー 永遠の仲間たち』

いろんな人が絶賛してた『サニー 永遠の仲間たち』
遅ればせながら新宿武蔵野館でやっと観ました(武蔵野館大好き)。
あれだけ話題になっていたのに、予告編を一度も観ずに、
映画から観る事ができたのも思いがけず幸せでした!

宇多丸氏のハスリングも走りながらやっと聴けて、
私も宇多丸氏にほぼ同感、「間口は広いけど、実は奥も深い」
「秀作」だと思いました。

この作品、『SRサイタマノラッパー2女子ラッパー傷だらけのライム』を
彷彿とさせるという人も多いですが、その実在感は同じくらいあると思います。
B-hackを初めてyoutubeで観たときも、あの5人が俳優だってにわかに信じられず、
おもわず俳優さんの名前をひとりひとりググってしまったほど。

サニーのパンフレットをみながら、それと同じ感覚を覚えています。
俳優さんが演じてるっていうことが不思議に感じられるくらい、
あの7人は存在している…。

ポッキのリハビリうまくいくといいなぁ、クムオクは出版社で頑張ってほしいなぁ、
イム・ナミはこれからどうすんのかなぁ金持ちの夫にお金で飼い殺されてる人生に
甘んじることはもうできないんじゃないかにゃーとか、
登場人物のその後に思いを馳せてしまうのは、よい映画だった証拠。

ジニやナミたちの不健康な男女関係がちゃんと批判的に描かれていたのもよかった。
日本映画ではなかなか、ないと思う。

 というわけで、サニーは最高の作り話でした。
高校生のナミと現在のナミが同じ場所に居合わせるという
映画ならではの表現も、一歩間違えば陳腐になりそうなのに、
ぜんぜん自然なかんじで切ない気持ちでいっぱいになりながら観ました。

映画は、作り話ならこのくらい巧みに作り込まれたものじゃないと、
なかなか引き込まれないです。最近の日本の映画では、
サイタマノラッパーとサウダーヂくらいです。
ちょっと前だと、橋口亮輔監督のハッシュ、是枝監督の花よりもなほ、
松本人志の大日本人くらいかな〜。

他のいろいろな映画はやっぱり作家の作り話に
お客さんがつきあってあげているものが多い気がして、
なんだかな〜、みんなやさしいなぁ(悪い意味で)
って思ってしまいます。

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